10/2上野東京都美術館のボストン美術館展最終日、日本伝統美の蒔絵と中国はじめとするアジアの美術品、同時期のヨーロッパの絵画や宝石を見に行ってきた。
ボストン美術館展は最終日でもあり、大盛況の人、人、人だった。
当日券は14時で売り切れ、あとは予約入館者だけとなった。
私ら(旦那と息子と私)はネット予約14時30分で入館した。予約販売する時間帯の空きだが14時30分しかなく人気の高さをうかがう。
もちろん館内の写真撮影は禁止、これは想定内だ。しかし、来館者が多く、順路に並ぶ列が1列ではなく3列位に広がっていた。作品をじっくり見るようなスペースがない。
「押し合いへし合い」がぴったりくる展示室だった。もっとじっくりと作品を見ていたかった。
この展示会は2020年東京、福岡、神戸の3カ所開催が決まっていたが、コロナ禍延期となり、ようやく東京の開催が決まったものだ。
浮世絵を見に行った私が一番ズシンときたのはキリスト教に基づいた中世ヨーロッパの油彩画、聖ドミニクスの肖像画だった。
ドミニクスの目力が異常に強い。強い意志を示した目、何か言いたいという雰囲気を持つ素晴らしい絵だ。この写真はもちろん館内のものではないからうまく伝わらないかもしれない。
(作品カタログ2,800円、ポストカードやステッカー、シールを買ってきた中のものだ。)
日本画、特に平安時代の藤原光貞の絵巻に胸打つものがあった。首をはねられた処刑者の絵だ。細い筆で墨と朱2色を使いとても残忍な場面を綺麗に描いている。これが浮世絵か、、、。
もう一方、中世ヨーロッパの見せしめに十字架にはりつけにされた処刑者の絵があった。
2つとも同じ処刑者の絵だ。
かたや墨で描かれた平安絵巻の日本画と、かたや金銀の絵の具の盛り上がりと光の反射を楽しませる荘厳な油彩画。
比較したら油彩画の推しの強さに目がいく。
油彩にはインパクトがある。これはこれで仕方ない。
いろいろな意味で、ボストン美術館展は興味深かった。
インド、中国、日本、イギリスはじめヨーロッパの絵が比較できる順路になっていた。しかしながら最後はきちんと狩野派の日本画で締めている。見事な展示会だ。
買い物含めて約3時間弱このボストン美術館展の美術ワールドを堪能した。
さらに、私はもう一つの楽しみを見つけた。
阿倍仲麻呂から始まる日本絵巻を見て感じたこと。絵巻遊びだ。
日本平安絵巻は現代のマンガに近い。貴族の遊び、ユーモアがあちこちに散りばめられている。
もしかしたら落語の原点はこのような絵巻かもしれない。
今日ボストン美術館展と先日の江戸初期の臨春閣を重ねてみた。
三溪園の臨春閣展覧会で「この書は誰が何のために書いたものか?」私のこの質問に横浜市の学芸員が答えられなかった。
宿題とさせていただき現在回答をお待ちしている状況だ。
でも、今日私の中では答えが出た。
江戸初期の公家の書物は公家の遊びから派生したものではないか😊
狩野派の鷲の絵がボストン美術館展にも臨春閣にも展示されていた。同一のものではないが、狩野派の絵画だ。
つまり、狩野派の皆さんも遊んでおられた😍
絵巻はマンガ。たかがマンガ、されどマンガだ。
すごく楽しい美術館展鑑賞だった。
これをどう活用するか、ワクワクが止まらない。
美術館前の大きな銀色のボーリングの球に私と息子が写っていた。写っていたボーリングの球を息子がスマホで切り取った。時空を超え現代に戻ってきた感動で笑いが止まらない。
美術館、上野動物園と直結した上野駅、5年前と大きく変わっていた。
東京ってすごい。こんなに変わってしまったのか?
私の高校は上野にある。懐かしかった。
やっぱり今日上野に来てよかった😊