昼一に上司から呼び出しがあった。
先日受けた社内昇級試験の結果報告だ。
『おめでとう。入社1年6ヶ月、君は最短でここまできた。来年はさらに上を目指してほしい。』
素直に喜べない自分がいた。
電鉄系のマンション管理会社はたくさんある。私の在籍する管理会社も鉄道関連だ。
鉄道側でクビをきれない人間が、肩叩きで清掃員や管理員として管理会社に送られてくる。いや、下りてくるというのが正しいだろう。
この人達の受け皿が私達。
我々フロントは、担当マンションの資産価値を上げる仕事をしなくてはならない。
高齢化が進むマンションや新築子育てマンションなど特性を持つ管理組合は、それぞれに都度対応を変えなければ前に進めない。
解決策が変わる。
フロントマニュアルはただの教科書であり、教科書だけですむ管理組合はほぼゼロ。
一元管理では難しいということだ。
一つ一つトライして、悩みのタネを潰していく。
その結果、解決。
誰もが笑顔になり、笑顔がどんどん増えていく。
話は変わる。
私の教育係でもあった同僚の最終勤務日が本日。課の皆にクオカードを渡し、丁寧に挨拶して会社を去った。
定年退職を送り出したのは10年ぶりか。
彼が挨拶して回るたびに、拍手が聞こえる。
会社の去り方を学んだ。
過去、退職する人は、荷物もそのままの人もいたし、綺麗に辞めるという内容のものではなかった。
立つ鳥跡を濁さず
私もこうありたい。