昨日、出社した途端取締役から呼ばれ感謝の意を伝えられた。
なにごとかと思いきや、私が担当するマンション管理組合の先週金曜日の出来事が会社のお耳に入ったということだった。
マンション管理組合の住民同士のインターネットサイトに管理会社の心温まる行動が素晴らしいと記事がアップされた。
先週金曜日の19時、私がこのマンションに向かった際のできごと。
私の乗っていたバスに同乗していた小学生がバス停を降りた瞬間にそわそわし、携帯を取り出しながら泣き出した。このバス停はマンションの近くにある。
小学生にどうしたのかと尋ねると、降りる時に松葉杖を一本バスに忘れてしまったと泣きながら話し出した。
この小学生は担当マンションに住むお子さんだった。
私はこの子からご自宅の電話番号を聞き、親御さんに連絡した。
お子さんをマンションに帰すから自宅で待機することをお願いし、マンション前のバス停から横浜駅まで40分かけて松葉杖を取りに行った。
バス忘れ物センターから松葉杖を引き取り、マンションへ向かい、小学生にこれを届けた。
この話を親御さんがマンションコミュニティサイトにアップしたということだった。
当たり前のことをしただけなのに、少し不思議な気持ちになった。
今は平成、昔の話をするとなんだか鼻摘まみものみたいに捉えられるから嫌なのだが、昭和生まれの下町長屋の中で育った私にとっては、しごく当然のことだ。
私の2人の子供がこの私と同じ境遇にいたら、やはり松葉杖を忘れ物センターに取りに行くと思う。
会社で大騒ぎするものじゃない。
この時の少年の「ありがとうございました」で私も役に立って嬉しかったと素直に思えた。
人は支え合って生きていかなきゃならない。
ありがとうはいつの時代も大切にしたい言葉だ。