絵を描く息子がスランプに陥っていた…。
私も3月決算のお客様が多く、正直自分の仕事を回すことができなくて日々24時間精一杯…家族まで見る余裕もなかった。
うちの課は3月に1人退社、補充があったものの7月にまた1人退社。マンション管理組合のフロントは、既存の担当物件でも理事会やら総会を抱え、大変なストレスを感じる。
その上、この2人の担当していた管理組合の振り分け先が私となり、引き継ぎやらご挨拶やらでさらにパンパンになっていった。
幸いなことに私に課せられた仕事はクリエイティブなものではないため、与えられた課題をコツコツこなせば形はつく。
でも、息子は違ったんだなぁ。
コンクール出品という環境の中、自分の感性と向き合う作業で行き詰まったようだった。
描きたいけど描けない状況は私にはわからないが、かなりつらいと思う。
それが理解できたのが、恥ずかしながら一昨日。
部活をサボる。
絵を描かない。
私は、この原因が息子の反抗期、幼稚さから来るものと考えていた。
実は部活を辞めると言い出した息子の実情を、大阪の中学校の校長先生にお知らせしたところ、こんな回答を頂いた。
1.コンクールのプレッシャー、連続入賞の息子、今年は日本一、3年連続入賞への恐怖感から、逃げ場を探しているのではないか?
2.作品が出来ないときの保険をあてがってあげたらどうか?
これをすぐさま息子へ伝えた。
なんとびっくり
息子は一昨日から部活へ行くようになり、筆が進まない作品に色を入れた。
大阪の校長先生が保険と決めた絵は、山形県鶴岡市の加茂水族館にある息子が水族館に寄贈したくらげと猫の絵だった。
息子はこの「加茂水族館の絵」でリセットできたみたいだった。溺れかけていた人間が投げられた浮き輪を掴む〜このような感じだった。
芸術家の産みの苦しみ、息子はまだ中学3年だが、入賞しなければならないプレッシャーをはねのけるすべがわからなかった。
だから、逃げ場を探しふらふらしていた。
あぁ、親として恥ずかしい。
私は全国入賞など、学生時代全く無縁な生活をしてきたため、逃げ場を探す気持ちなど味わったことがない。
これからはどっしり構えていこう。
危機を乗り越え、前に進む息子を眩しく思う。
息子の寝顔を見ると、「わからなかったよ。ごめんね」と泣けてきた。